2010年04月26日

【from Editor】待ち遠しい田植え風景(産経新聞)

 高校卒業まで九州のいなかで暮らしたせいか、田園風景を眺めていると妙に心が和む。昨年7月に東京から新潟に転勤してきて、一番うれしかったのは、越後平野を青々と染める水田が見られたことだった。

 夏。稲穂には白い小さな花がつき、実るにつれて頭(こうべ)を垂れた。青い穂がみごとな黄金色に変わると秋の刈り入れ。冬でさえ、どこまでも続く真っ平らな雪景色が美しかった。こうした季節の移ろいを実感できた。当然ながら今年は、昨年の着任前に終わり、見損なってしまった光景が見られると期待している。「もうすぐ、見渡すかぎりの田んぼに水が張られて田植えが始まる…」と。

 それが、3月から続く異常気象の影響でやっかいな問題が起きているらしい。例年ならば、おおかた終わっているはずの田起こし(田打ち)、すなわち田を耕す作業に、遅れが生じている、というのだ。

 植物にうまく育ってもらうには、まず土をよく耕さなければならない。コメ作りも例外ではない。田植えの前には、硬くなった田んぼの土を軟らかくほぐして空気をすき込み、表面と下部を入れ替えてやる必要がある。そのさい、土がほどよく乾いていることが作業を効果的に進める必要条件となる。ところが、今年は例年の1・5倍から2倍近い雨が降ったせいで、いつまでも田んぼが乾かないというのである。

 取材などで県内のあちこちに出向く際、田植えの準備が終わって水を張ったように見えるのに、実は、前年の古い稲株が残ったまま雨水がたまっただけで、田起こしどころではない田んぼが多いことに驚かされる。

 専門家の間では、これでは多くの農家が田植え作業にあてる大型連休までに準備ができないのではないか…といった懸念が広がってきたようだ。

 多くの兼業農家にとって、まとまった田植え休暇が取りやすい連休をはずすと、うまく作付けが進まず、その後の農作業にしわ寄せが及び、ついには収穫にまで響くとされる。新潟のような農業県では、これはゆゆしき事態だ。事情に詳しいある公共機関の関係者によると、「地方では、コメがとれないと農家が元気をなくし、地域経済全体が沈滞する」からだ。

 見渡すかぎりの田んぼに水が張られると、その光景はまるで湖のように映る。大型連休のころ、そんな越後平野を眺めたいものだ。(新潟支局長 三浦恒郎)

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2010年04月21日

寛仁親王殿下が5月にトルコへ(産経新聞)

 寛仁親王殿下が、5月にトルコを公式訪問されることが16日の閣議で了解された。

 宮内庁によると、寛仁さまはイスタンブールに向けて5月1日に出発、4日に同地を出て5日に帰国される。「2010年トルコにおける日本年」の友好祝賀式典や、日本の古美術を集めた展覧会の開会式などに出席される。寛仁さまは「日本年」の名誉総裁を務められている。

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2010年04月12日

子ども手当 参院選へ“巨大選挙買収”(産経新聞)

【金曜討論】 山谷えり子さん、泉健太氏

 民主党のマニフェスト(政権公約)の目玉の一つ、「子ども手当」が今年度から始まる。今年度分は約2兆3千億円、2万6千円に増額される来年度は5兆円超の財源が必要とされる。現金の直接支給は子育て家庭には朗報だが、在日外国人の国外居住の子供には支給され、身寄りのない日本人の子供には支給されないなど不公平感もある。「財源確保も十分審議されずに強行採決された」と批判する自民党の山谷えり子参院議員と、子ども手当を推進した民主党の泉健太衆院議員に聞いた。

 ≪山谷えり子さん≫

 ●制度設計なく強行採決

 −−成立した子ども手当法の内容についてどう思うか

 「ほかの教育政策などが十分議論されず、目的制度設計がまったくないまま強行採決されてしまったことは問題だ。日本人の親が外国で暮らしている場合、日本に住む子供は手当が受けられない。その一方で日本に住む外国人を親に持つ子供なら外国に住んでいても支給されるなど支給対象がまずおかしい。これでは少子化対策なのか、子供が健やかに成長するための対策なのか、経済支援なのか、経済対策なのか、いったい何のための政策なのか分からない。今年度の支給2カ月分を急遽(きゅうきょ)、6月に支給することを決めるなど、いかにも7月の参院選に向けての、“巨大な選挙買収”のための制度と言われても仕方ない」

 −−政府は平成23年度以降、支給額を公約通り月2万6千円に増額する方針で、いかにも公約実現を急いだかのようにも感じる

 「衆院厚生労働委員会での長妻昭厚労相の答弁を聞いても分かる。在日外国人を親に持つ海外で暮らす子供たちの実態については、『今後、調査して把握していく』と答えたり、『23年度の本格実施の制度設計の中で、さまざまな論点を検討していきたい』と答えるなど、制度設計の不備を民主党自体が認めていますから」

 ●自治体の負担も大変

 −−地方自治体の負担も論議されているが

 「例えば三重県松阪市の子ども手当の総額は76億円で、市民税の収入は77億円。もし、子ども手当をやめれば、国保税や介護保険料、後期医療保険料を全部無料にできる金額だ。また、自治体の事務負担も大変なことになる。支給対象となる外国人の子供の確認作業は地方自治体が行うが、例えば養子が50人いる牧師が日本に来た場合、本国に残した養子50人にも手当が支給されるが、どう確認をとるのかという質問に対し、長妻厚労相は『地方自治体が現地に問い合わせる』と答えている。これでは市町村に丸投げの状態。ノーチェックで対応せざるを得ないと言い始めた市町村も出てきている」

 −−財源確保の問題については

 「財源確保のために、事業仕分けで教育再生のための施策がいくつも廃止されたり、削減された。何年もかけて創設された『放課後子どもプラン』など計400億円の教育再生のための予算が、2兆3千億円のバラマキのために削られるのは残念だ」

 −−手当はどうあるべきか

 「経済的に貧しい家庭への支援は当然必要だが、保育政策の充実やゼロ歳児の母親に育児休暇や手当を与えるなど子供の健全な育成を保障するための環境整備作りに費やすべきだ」(戸津井康之)

 ≪泉健太氏≫

 ■一番のニーズは金銭支援

 〇社会全体での応援

 −−なぜ子ども手当が必要か

 「子供は社会の希望であり、次代を支える要だ。核家族が主流になった時代、子育てへの社会的支援が求められている。すべての子供への人生前半の社会保障と位置づけ、政府が子育て支援に取り組む姿勢を示したものだ。若者には子育てへの負担感がある。調査でも一番のニーズは金銭的支援だ」

 −−財源負担など、地方自治体から批判もある

 「児童手当にも地方負担分があった。国、地方、事業主など社会全体で応援する考えでご理解いただきたい」

 −−半額支給(月1万3千円)の今年度も約2兆3千億円の支出となるが、財源は

 「控除廃止と公共事業や公益法人の無駄削減などを行う。個別政策それぞれの財源を示すことは、予算編成にはありえない話だが、政府として責任を持って財源を確保したい」

 −−外国に在住する子供にまで支給することに議論がある

 「外国人への児童手当は、これまでも親が日本にいるなら子供が外国にいても支給されてきた。厚生労働省は従来と同じ制度設計を行っているが、本来の趣旨が物価の高い日本で生活する子供の育ちを支援することと考えれば、個人的には国内に居住する子供に支給するのが適切と考えている」

 〇子育て予算は少ない

 −−所得制限が必要ではないか

 「制度の哲学は、すべての子供の育ちの支援だ。高所得者には所得制限ではなく、累進課税や控除廃止などで対応する。年収2千万円で所得制限をかけても対象者は1%で、地方自治体事務の煩雑さを考えると事務費が上回る」

 −−参院選直前の6月支給に、選挙目当てとの見方もある

 「昨年の衆院選を戦うときから、マニフェストで工程表を示している。当初の予定通り行っているだけだ」

 −−待機児童解消など、母親の就労支援を優先すべきではないか

 「子ども手当とどちらを選ぶという選択論に乗ってはいけない。日本の子供関連予算は社会保障予算に比べ10分の1、国際的にも低水準だ。待機児童対策などは子供子育てビジョンに盛り込み、両方を推し進める。子ども手当の一部を保育費や給食費など特定の使途に充てることはあり得ると思う」

 −−手当が貯蓄や生活費に回る可能性が高い

 「生活費はもちろん、貯蓄も長期的には子供に関連する支出に結びつく。遊興費に使う可能性は児童手当と同じだ。直接的支援で失業中や一人親の子供も、日本社会で羽ばたける生活環境をつくってほしい。そのメッセージを政府が打ち出すことが、若者の出産と育児への意欲にもつながる」(飯塚友子)

【プロフィル】山谷えり子

 やまたに・えりこ 参院議員。昭和25(1950)年、東京都生まれ、59歳。元サンケイリビング編集長、テレビキャスター、エッセイスト。平成18年9月、首相補佐官(教育再生担当)、21年10月、参院環境委員長などを歴任。このほど扶桑社新書「日本よ、永遠なれ」が刊行された。

【プロフィル】泉健太

 いずみ・けんた 内閣府大臣政務官。衆院議員。昭和49(1974)年、札幌市生まれ、35歳。立命館大卒業後、議員秘書を経て平成15年、衆院選に初当選、現在3期目。民主党で一貫して子育て支援政策を担当、マニフェストに子ども手当を盛り込む。野党時代も無戸籍児の児童手当支給に尽力。

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